サブプライムショックで株大損、税務上での救済措置は・・・?
米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の
焦げ付き問題に端を発した株式市場の世界同時暴落。
損失を出した投資家も少なくないと推測されるが
税務的な救済措置は、どのようになっているのだろうか。
上場株式の取引で譲渡損が出た場合、
その年に控除しきれない金額は
「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」として、
申告の翌年以後3年間にわたり、株式等の譲渡所得から
繰越控除ができる特例制度がある。
これにより譲渡損失が生じた場合は、
翌年以降の税負担がゼロもしくは軽減されることになる。
適用に当たっては、取引の有無に関わらず
その後3年間連続して確定申告書を
提出することが求められている。
また、「取得費の特例」を活用できるケースもある。
これは、平成13年9月30日以前から引き続いて取得していた
上場株式について、平成22年12月末までに譲渡した場合、
取得費を平成13年10月1日における価格の80%に
相当する金額とすることができるというもの。
適用によって損失が生じる場合には、
他の株式との損益通算ができるほか、一定の要件を満たせば、
「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」の
特例を適用することもできる。
しかし、一般的に株や投資信託、FX取引、先物取引などの
金融所得において、利益が出れば税金が発生するが
損失が出た場合に、税金の軽減措置や損失の繰越などの
救済措置は、ほとんど認められていないのが現状。
「貯蓄から投資へ」という政策が推進されている今日、
税制面においても投資家保護を目的とした
支援整備が早急に望まれる。
コラム提供 藤井税務会計事務所
このページの内容は 2007年9月24日 のものです。